想代(そよ)。想代……」

毎日誰かに愛されて、愛おしさを含んだ声で名前を呼ばれながら起きたかった。

でも希望は叶わず、今日も一人で目を覚ます……はずだったのに。



「想代」



今日も私はこの声に起こされる。



私を「想代」と呼び捨てするのは、友達と家族以外にあの二人しかいないから。