私たちは各教室に戻り、自分の荷物を持ってもう一度走り出した。
お互い手を握っているが、一言も話さずに校門から出た。
校門から出てやっと緊張が解けた。
なぜなら、学校から出ればもう安全だからだ。
「莉子ちゃん…」
真紀子ちゃんはきっと"あの人"のことを気にしているのだろう。
これ以上思い出したくなかった私は、
「もう帰ろっか」
と言って歩き出した。
真紀子ちゃんとは家が反対方向のため、一人で家に帰った。
今日の晩御飯のカレーライスも喉を通らなかった。
「どうしたのよ、食欲ない?二日分作ったこのカレーも今日で最後だから、食べれなかったらお父さんにあげなさい」
「じゃああげる」
そう言って私は二階にある自分の部屋に入った。
次の日、今日も真紀子ちゃんと一緒に放課後のトイレに行った。
トイレには相変わらず女子が溜まっていた。
しかし、今日は"あの人"がいなかった。
「真紀子ちゃん、見える?」
「うん、見えるけど…。莉子ちゃんは?」
真紀子ちゃんには見えてるの?
「私には見えない…」


