あの人の話を共有しないでください。ー実際にあった怖い話ー


家に着き入ろうとした時、ちょうど角を曲がった真紀子ちゃんがチラッと見えました。



真紀子ちゃんは私に気づいていない様子でした。



今のうちにと急いで家の鍵を出して鍵穴にぶち込み、鍵を開けて中に入りました。



二階にある自分の部屋まで行くのは面倒だし、もう真紀子ちゃんが来るので玄関で待機することにしました。



そしてすぐ、ピンポーンとインターホンが鳴り、私はドアを開けました。



「菜花ちゃん大丈夫?ゼリー買ってきたけど食べる?」



こっちは仮病を使ったのに気を使わせてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。



「ありがとう。さあ上がって」



真紀子ちゃんを家に上げ、一緒に私の部屋に向かいました。



「散らかってるけどどうぞ」



部屋に入り、向き合って座りました。



「体調悪いのにごめんね。長居する気はないからさ」



本当は体調なんて悪くありません。



走れるくらい元気です。



ですが私は表情にも意識して、体調が悪いように見せました。



「こんな時に気味悪い話でごめんね。"あの人"のことなんだけど、今日トイレの前にいなかったよ」



真紀子ちゃんは"あの人"の話題を持ってきました。



「ねぇねぇ真紀子ちゃん。"あの人"の正体気にならない?」



「めっちゃ気になる!」



「私、"あの人"の正体知ったんだよね。聞く?」



「うん!聞きたい!」



こうして私は、"あの人"の正体を真紀子ちゃんに話すことにしました。