王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 忌み嫌われている存在なのだ。


 そう思った俺は、確かめなくては、とそのことしか頭に無くなった。


 そして、普段なら絶対に話すことのない、過去の話を口走った。



「……俺、久東家の養子なんだ」



 そう言って始めた俺の話を、氷雨さんは驚いた顔をしつつ聞いていた。


 俺の話が終わるまで、口を挟むことは無かった。


 淡々と話しているつもりが、途中で感情的になったり、声が震えたりしてしまった。


 それでも氷雨さんは、最後まで黙っていた。



「……だから、俺とは関わらない方がいいよ。 こんな穢れた人間。
❝生まれつき❞お嬢様のあんたには、耐えられないと思うから」



 俺は最後に、吐き捨てるようにそう言った。


 氷雨さんは数秒黙っていた。