王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 表に出されている情報なら、また、隠されている情報でもある程度なら知っている。


 それに、久東家はかなり有名な医院だ。


 私がこの情報を知らなかったってことは、久東家側が全力で隠しているのだろう。


 何故だ、久東家は子宝に恵まれなかったのか? だから養子を……?


 だとしても、隠している理由は何だ?


 考えても仕方が無い、今は、久東君の言葉に耳を傾けよう。



「俺さ、❝神聖な久東家の血を汚す下賤な者❞だって、久東家に行った時から言われてたんだ。
それは、あの養母も……今日は来ていなかった養父も同じ。 いや、あの養母は特に俺に冷たい目を向けていた」



 久東君の口から告げられる、信じられない事実。


 それを彼は、苦しみを押し殺すようにして話していた。



「日頃から蔑んで、罵って、機嫌が悪くなったら殴って。 まさにサンドバック。 久東家にとって俺はそれだけの存在だった」



 段々と、声の震えが増し、怒りを堪えるような口調になる久東君。