王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 何か、女性慣れしてる人だと思ったけど、意外と、ただ素直じゃなくて、優しい人かもしれないな、私はそう考えを改めた。


 なので、ありがたく受け取ることにした。



「ありがとう、嬉しい」


「……別に、ただの綿あめだし」



 簡潔にお礼を伝えると、なぜか顔を赤くして視線を逸らされてしまった。


 本当は、久東君もお腹がすいてるのかな。


 確かに、お昼時だしな。


 私たちの演劇は午後からだし、問題ないか。


 そう思った私は、久東君をお昼に誘った。


 最初は驚いていた久東君だけど、すぐに「……無自覚か」と意味の分からないことを呟いて承諾してくれた。


 そして私たちは、出店で食料を買い、飲食スペースで昼食をとることにした。


 焼きそば、たこ焼き、綿あめ(デザート)……珍しいものは何もないけど、お祭りでの一番の楽しみである。