王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 そう思って、女子たちに視線をやると、怯えたような顔でどこかに行ってしまった。


 ……何、これ。傷付く。


 何だか、ニヤニヤと見られている気配を感じて、私をこんな状況にした犯人に目をやる。


 すると、予想通り、厭味ったらしく笑ってこちらを見ている久東君の顔が視界に入った。


 しかも、やたら顔が整ってるせいで、妙に様になってる。


 ムカつく、よくそんな顔できるね。


 超ムカつく。


 私はひくつきそうな顔に力を入れて、何とか無表情を保つ。


 
「氷雨さんも、これから暇でしょ? 一緒に文化祭回ろーよ」


「お断りしま……」


「ああ、いいんじゃないかな? 僕は会場設営の方手伝わないといけないけど、汐君は暇だし。 汐君1人で回るのも、大変だしね」



 意味不明な提案をしてきた久東君の言葉を一刀両断しようとした私、だが、その言葉を玲音君に遮られてしまった。


 いや、待て、落ち着け玲音君。


 私と久東君が回って何になる。