王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 氷雨さんの言葉で、ようやく、ああ、そうだったのか、と思った。


 何度も聞いてきた、慰めの言葉。


 何度も、何度も……「私は理解している」と主張するように。


 僕はその度に、「分かっていないくせに、気に入られたいだけのくせに」と思っていた。


 でも、氷雨さんは違った。


 ただ静かに僕のことを見つめ、同情も何もせず、ただただ黙ってくれていた。


 僕はようやく分かった。


 僕は救われたのだと。


 そんな時、愛おしげな瞳を氷雨さんに向けて、澄透が駆け寄ってきた。


 僕が氷雨さんに……夕鈴に抱いているこの思いは、恋とは違うだろう。


 けれど、その瞬間、彼女の真っ直ぐな瞳に、僕の心は救われた。


 僕は、彼女を支えるために、彼女を守るために生きよう、そう思った。