王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 ――彼はもう、慰めの言葉なんて、聞き飽きていると。


 その暗い声は、どこか乾いていて周りを無感情で見ている気がした。


 「大丈夫」「まだチャンスはある」「空手だけが人生じゃない」、そんな言葉、彼はもう求めていないんだ。


 じゃあ、私ができることは……。


 
「……何も言わないの?」



 訝し気にこちらを覗いてくる葉室君。


 やっぱり、何か慰めの言葉をかけられると思っていたんだろう。


 私は、葉室君を真っ直ぐ見つめて言った。



「……葉室君は、言葉を求めてないでしょ」


「……!」



 驚いた様子の葉室君。