王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 私の場合、ここで再び沈黙が起きるんだけど……ふと聞きたいことができて、尋ねてみた。



「葉室君こそ、何で、演劇出ないの?」


「あ~、僕はね~……」



 葉室君は、訳アリな感じで目を伏せた。


 ……聞かない方がいい感じ?



「……話したくないなら、別に……」


「いや、いいんだよ。 何も、隠してるわけじゃないからね」



 葉室君はいつもの可愛らしい笑顔とは違う、少し影のある微笑を浮かべていた。



「僕が……前に、空手の全国大会で優勝したってのは、聞いたことあるでしょ?」


「もちろん、有名な話だよね」


「……その通り」



 葉室君から醸し出される儚げな雰囲気に驚きつつも、答える。