王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

「いや、無理無理。 絶対無理……。 ひ……!」


「えー、何で~? 皆、氷雨さんのこと『美人だ~』って言ってるよ?」


「いや、言ってない言ってない……。 って、何でここに……」


「僕も、汐いなくて1人だから、氷雨さんと見ようかな~って」



 可愛らしい声で話しかけてきたのは、誰であろう、葉室玲音だ。


 確かに、いつも葉室君と一緒に居る久東君が、今日は見当たらない。


 ……で、何で私と一緒に見るって発想になるわけ?


 私の考えを感じ取ったのかのように、葉室君はにこりと笑って言った。



「……澄透の家に行ったときから、氷雨さんと話したいな~って思ってたんだよね~」



 明らかに❝ 用意された答え ❞な感じがしたけど……深く聞く必要は無いよね。


 ってか、怖いから聞きたくない。