王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 あの、氷のように冷たい瞳が忘れられない。


 いや、それでよかったのかもしれないな。


 だって、そのおかげで……氷雨の、あの無表情女のことを、考えずに済んでいるのだから。


 まあ、考えてはいるが……澄透の表情が印象的過ぎて、そこまで重症化していない。


 本当に、一体何なんだ、と、俺は嘆息を吐いた。