王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 私が脳内でグチグチ文句を言っていると、突然、久東君が距離を詰めてきた。


 やっぱり、モテ男(チャラ男)は慣れてるな~……じゃなくて、何してんの!?



「いや、やっぱり緊張してるでしょ。 普段、異性とこんな距離……」


「それって、緊張させようとしてるようにしか、見えないんだけど」



 久東君の発言に、熱が冷めていく感覚がした。


 それから、テンパってるのを隠すように、私はいつもの冷たい声で言い放った。


 これ以上は精神的負荷が大きすぎる。


 疲れるのは私も嫌だ。


 それに……。



「距離を詰めるのも、相手の許可を取ってからにしてくれない? 私は許可しないから。
久東君も、警戒してる相手にそんなこと、したくないでしょ」



 正直、初対面の人にベタベタされるのは嫌いだ。


 それがイケメンでも。