王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 高村さんはハッと目を見開き、何かに耐えるように震えだした。


 え、どうしたんだろう……?


 もしかして、泣かせちゃ……。



「……氷雨ちゃん、大好きっっっっっ!!」


「は?」



 さっきまで引っ込み思案な様子を見せていた高村さんが、突然抱き着いてきた。


 え? は? どういうこと?


 
「いやー、勇気出して声かけて本当に良かった……! てか、顔面偏差値高すぎん? てかまつ毛なっが、顔ちっさ!
神の最高傑作かよ。 てか氷雨ちゃんの全てが黄金比。 全ての位置が正解。大正解。 
え、何? 呼び止められて調子乗って振り返ったら、笑顔の破壊力規則不可能だったんだが。 ああ、尊い。
神様ありがとう。 家族の皆ありがとう。 私を生んでくれてありがとう。
この顔面見るために生きてきたんだわ。 我が人生に一片の悔いなし……」


「いや、勝手に逝かないで?」


  
 さっきからやたら騒がしい高村さん。


 こうやって見ると、かなりの美少女だ。


 亜麻色の瞳でじっと上目遣いしてくる。