◇Clown Act◇⇩



「気をつけていこうお兄ちゃん。たぶんここからは、前と同様にピエロ鬼たちがはびこってる」


「ならやっぱり戻って2-5を探索しよう。これじゃ匿ってもらった意味がない」


「失せモノっていう報酬は手に入った。それだけで十分な意味になるよ。ぜんぶお兄ちゃんのおかげ。だからこそ、怪我を見過ごすわけにはいかない」


「祥……」


「お兄ちゃんの傷を癒せるなら、50%の成果を捨てたってかまわない。私はもう、見ているだけは嫌だ。痛みを無くすことも、ゲームをクリアすることも、どっちも必ず遂げてみせる」



強い瞳だった。


眩みそうになるほど、射抜いてくる。


そんなまなざしを注がれて、祥だけでできているこの体が無事でいられるわけない。


火照りきり、息苦しささえおぼえる。


我慢ができなくて、祥のくちびるを奪っていた。



「ちょっ、お兄ちゃんっ……」



目をまんまるにして驚くお姫様のくちびるをさらに追いかける。


ごめんね、止まらなくて


好き


好きだよ、祥



「ありがとう」



自分の顔がとろけている自覚しかない。


好きすぎて頭がおかしくなりそう。


ううん、もう、とっくにおかしくなってる。


狂おしいほど大切な存在に。



「さぁ、連れて行ってくれるかな、お姫様」



祥の手を取り直す。


恥ずかしそうにプイッと目を逸らしてしまった彼女は、すこし強引に俺の手を引いた。