◇Clown Act◇⇩





『フフ、ピエロ鬼が遠くへ行ったみたいダネ』


『サァ!進みたまえ聖者タチよ!』





天井からカラフルな紙吹雪が落ちてくる。


俺たちのまわりを、まるで祈るように舞散った。


黒と白のピエロが手を広げて作る道を歩きながら、祥の手を引く。


そのとき、ツンと、つんのめる。





『アァ、忘れていたヨ』

『ソウダ、忘れてイタ』





背後から聞こえたピエロたちの声。


振り返れば





『優しいピエロお嬢さん』


『いつかまた会えたら、お茶会でも』





黒いピエロが手の甲に


白いピエロが頬に



俺のお姫様へ、くちづけを落とした。





「え、あっ、ちょ」



まごつく祥。


すぐさまその肩を抱き寄せ、マントの中に包み込む。


なにも見えないように、祥の目をてのひらで覆った。



「いけないいけない。俺も忘れていたよ」



衣装の内ポケットに刺していたモノを抜き取る。


ゲームの際こっそり回収しておいた、あの汚らしい女の幽霊を殺めた包丁。



「世話になったな、クソ道化ども」



音もなく、二体の首を一閃してから、教室をあとにする。


誓っていたんだ。


祥に触れ、祥を不安にさせたゴミどもを、必ず殺すと。


女の幽霊がちょうどいいモノを出してくれてよかった。



「お兄ちゃん………終わったの?大丈夫?」



俺のマントから顔を出す祥。


愛らしくて食べてしまいたい。



「うん。終わったよ、もう大丈夫。さぁいこう。俺たちの花道だ」



足もとには、ピエロたちの赤い血が絨毯を作っていた。