『フフ、ピエロ鬼が遠くへ行ったみたいダネ』
『サァ!進みたまえ聖者タチよ!』
天井からカラフルな紙吹雪が落ちてくる。
俺たちのまわりを、まるで祈るように舞散った。
黒と白のピエロが手を広げて作る道を歩きながら、祥の手を引く。
そのとき、ツンと、つんのめる。
『アァ、忘れていたヨ』
『ソウダ、忘れてイタ』
背後から聞こえたピエロたちの声。
振り返れば
『優しいピエロお嬢さん』
『いつかまた会えたら、お茶会でも』
黒いピエロが手の甲に
白いピエロが頬に
俺のお姫様へ、くちづけを落とした。
「え、あっ、ちょ」
まごつく祥。
すぐさまその肩を抱き寄せ、マントの中に包み込む。
なにも見えないように、祥の目をてのひらで覆った。
「いけないいけない。俺も忘れていたよ」
衣装の内ポケットに刺していたモノを抜き取る。
ゲームの際こっそり回収しておいた、あの汚らしい女の幽霊を殺めた包丁。
「世話になったな、クソ道化ども」
音もなく、二体の首を一閃してから、教室をあとにする。
誓っていたんだ。
祥に触れ、祥を不安にさせたゴミどもを、必ず殺すと。
女の幽霊がちょうどいいモノを出してくれてよかった。
「お兄ちゃん………終わったの?大丈夫?」
俺のマントから顔を出す祥。
愛らしくて食べてしまいたい。
「うん。終わったよ、もう大丈夫。さぁいこう。俺たちの花道だ」
足もとには、ピエロたちの赤い血が絨毯を作っていた。



