「さ、祥も開けてごらん?罠とかはないから、安心しても大丈夫だよ。怖いならお兄ちゃんが開けてあげようか?」
「へ、へいきっ。開けるもん。ほんと……過保護なんだから」
強がる顔もかわいい。
軽く耳にキスをすれば、怒られてしまった。へへ。
『ショウ②』
封筒の印字。
俺のお姫様の名前。
「ちゃんをつけろよ……いや、様でいい。呼び捨てとか、祥のことをなめてるのか??」
「まぁまぁ。怒らないで。なんか私、ピエロにバカにされてるっぽいから、あきらめてるよ」
「あきらめなくていいのに。お兄ちゃんがみんな殺してあげる」
「やめて」
諌められてしまう。かわいい。かわいいね。
祥に怒られるのは嫌いじゃない。
どんな感情を向けられても、喜びが先にきてしまい、正しい反応が遅れてしまうのは昔から。
『5月3日』
書かれていたのは謎の日付け。
「私のはこれかぁ。うーん……なんだろう、これ」
「祥、思い当たることはない?」
「ない、かも。でもこれ、うちのチームナンバーと同じ数字だよね」
目に入るのは祥の首筋に刻まれた「53」の数字。
同じものが俺にも刻印されているけど、たしかに一致はしている。
しかし、だからなんだとしか言いようがない。
「これが、私がすっかり忘れてしまったものなの……?」
「まぁそのうち思い出すよ。これは大切に持っていようね」
釈然としない色を浮かべながらも、祥は素直にポケットに手紙をしまった。
なるほどな、具体的な日付まで出してくるとは。
生徒たちの過去すら手中にあるということか。



