◇Clown Act◇⇩



「さ、祥も開けてごらん?罠とかはないから、安心しても大丈夫だよ。怖いならお兄ちゃんが開けてあげようか?」


「へ、へいきっ。開けるもん。ほんと……過保護なんだから」



強がる顔もかわいい。


軽く耳にキスをすれば、怒られてしまった。へへ。




『ショウ②』




封筒の印字。


俺のお姫様の名前。



「ちゃんをつけろよ……いや、様でいい。呼び捨てとか、祥のことをなめてるのか??」


「まぁまぁ。怒らないで。なんか私、ピエロにバカにされてるっぽいから、あきらめてるよ」


「あきらめなくていいのに。お兄ちゃんがみんな殺してあげる」


「やめて」



諌められてしまう。かわいい。かわいいね。


祥に怒られるのは嫌いじゃない。


どんな感情を向けられても、喜びが先にきてしまい、正しい反応が遅れてしまうのは昔から。




『5月3日』




書かれていたのは謎の日付け。



「私のはこれかぁ。うーん……なんだろう、これ」


「祥、思い当たることはない?」


「ない、かも。でもこれ、うちのチームナンバーと同じ数字だよね」



目に入るのは祥の首筋に刻まれた「53」の数字。


同じものが俺にも刻印されているけど、たしかに一致はしている。


しかし、だからなんだとしか言いようがない。



「これが、私がすっかり忘れてしまったものなの……?」


「まぁそのうち思い出すよ。これは大切に持っていようね」



釈然としない色を浮かべながらも、祥は素直にポケットに手紙をしまった。


なるほどな、具体的な日付まで出してくるとは。


生徒たちの過去すら手中にあるということか。