◇Crown Act◇⇩




「………」



俺は地面に顔を伏せた。


頭上から降り注ぐ笑い声をひたすら浴びる。





「ないで るの?

ヒ ㇶ だぃ、じょうぶ

あな だ、の手 ぎれい」





ふたたび指を撫でられる。


この仕草は次への合図だ。


標的は、中指。


口を結んで衝撃を待った、そのとき






「ヒイィィィい゙──??!!!!」





喉が潰れたような引き攣り声が落ちてきた。


俺は顔を上げる。


そこにはガクガクと顎を震わせた女の姿があった。




「ドォじで どぉジデ!!」




白装束を引きずりながら後ずさろうとする女。


あまりの恐怖にうまく体が動かせないのか、虫のように蠢いている。


俺は女をじっと見つめると

自由になった包丁を手から引き抜いた。


ダムが決壊したみたいに血が流れていく。


大量の失血を抑えるため、近くにあった舞台用の布を拝借し、傷口に巻き付ける。


ゆっくりと立ち上がった。




ひたり


ひたり




まるで俺が幽霊になったみたいに、ゆったりと女に近づいていく。


手中で包丁の柄をまわして遊ぶ。


泣き叫び、助けを乞う醜態を見下ろしながら、壁に追い詰めた。






「ぐるな! ぐるな!

おまえは ぐるっでる!狂ってる!

やめ」





大きく開かれた口に、刃を滑り込ませた。



───バリィ!!



腐った頚椎を突き破り

壁に貫通させてやる。


女は動かなくなった。