いつも疑問に思うんだ。
勝負事において
みんなはなぜ『負けること』を考えるのだろうと。
もし負けたら?もし死んだら?
考えて考えて、あげく恐怖の渦中に足を取られるのはいつだって敗者だ。
結局のところ、タラレバはなんの役にも立たない。
今どうしたら確実に勝てるのか
その道筋を最短ルートで見つけ出せた者だけが、明るい場所へとたどり着けるのだ。
大切なものを前にして足が竦むのは、それが本当に大切なものではないから。
守りたいものがあるならば
失う覚悟で戦わなければならない。
「勝てば、俺の祥は死なない」
一歩前に出た。
ピエロと対峙する。
その瞳に俺がどう映っていようとかまわない。
奪えるものならすべて奪ってやる。
「指くわえて見てろよ、くそ道化」
囁いてやると、2体のピエロは目の端を痙攣させた。



