「庭の千草」狂詩曲

2次審査は翌々日に行われた。

どのコンテスタントも1次通過しただけあって、なかなかに上手い。

午前中の審査だけでも、誰が脱落させられてもおかしくないだろうと思える演奏だった。

これは混戦になるなと思った。

クレアの順番は午後、最後から2番目だった。

午前中からの審査で審査員たちのの耳も観客たちの耳も多くの演奏を聴き、疲労してはいるものの肥えている状態。

余程、インパクトがない限り評価は厳しい。

だが、クレアの選曲は審査員を「あっ」と言わせるにはじゅうぶんな曲だ。

ブライアン・ファーニホウ:《シャコンヌ風間奏曲》

ファーニホウ独特のトータル・セリエリズムを発展させた語法は、常人が易く弾けるものではなかった。

絶え間ない集中力と音符の長さの計算と細分化された複雑なリズム。

変則的な拍子、通常とは異なる奏法指示が多用されている曲だ。