「庭の千草」狂詩曲

とても納得できる話ではなかった。

でも俺はクレアの必死さに、頷いてしまった。

「俺にできることはないか」

クレアはハッと顔を上げた。

俺の顔をポカンと口を開け、見つめた。

「俺に何かできることはないか」

俺は再度、ゆっくりと訊ねた。

「先生から3ヶ月後のヴァイオリンコンクールに出場するよう言われていて」

「クレーメル国際コンクールか」

「ええ。エントリーしたけれど、ピアノ伴奏者が見つからないの。……何人も声をかけたわ。でも、呪われたくないと皆、断るの」

聞いていて、それはそうだろうと思った。

「1年生の頃からコンクールには幾つも出場したわ。でも、入賞しても優勝に届かない。観客票は私が誰よりポイントが高いのに、審査員票で落選になる。演奏しているのは私よ。『シレーナ』」が私を操るのではないのに」

俺は言うべきく否か、迷った。