「庭の千草」狂詩曲

日々の忙しさに追われながらも、充実していた。

大学院に進むと決めたユリウスとエィリッヒには、申し訳ないくらいに順調だった。

卒業式の時、ユリウスとエィリッヒからクレアとダフィット教授の噂を聞いた。

師事している教授と学生。

師匠が体調を崩せば心配で、様子が気になるのは仕方ないし、1人身ならば看病くらいしたくなるだろう。

俺は当たり前だと思ったし、そのくらい許せない器でどうすると思った。

クレアは後輩で、多少気になる存在。

特別な感情は未だないと思っていたが、いい気分はしなかった。

自分が思っている以上に、クレアのことが気になる存在になっていることに気づいた。

そして、クレアがガダニーニの「シレーナ」を弾いている限り、陽の目を見るのは難しいだろうと思った。

ガダニーニの「シレーナ」はそれくらい名の知れた曰く付きの楽器だ。

学内図書館の資料を調べた。