物心ついた頃に両親は離婚した。
母はあまり丈夫な人ではなかったようだ。
心労が重なり、私が16歳の時に亡くなった。
ヴァイオリンは父が、私が3歳の時に習わせてくれた。
両親が離婚した時、ヴァイオリンをやめさせられなかったのは、ヴァイオリン教室の先生のお蔭だ。
「君の事情が大変だったのは少し理解した。だけど、それが無茶な練習をする理由だとは思えない」
「先生に……」
「君はダフィット教授のロボットではない」
宗月は意外に頑固だった。
「選曲リストを返して。別の伴奏者を探すわ」
宗月は私が観念して言うと、キッパリ言った。
「イヤだ」
差し出した私の手を取った。
「やっぱりだ。爪も割れて絆創膏だらけ。関節も熱を持って腫れているじゃないか」
「貴方には関係ない」
「君のこの指は教授のためだけに演奏する指ではない。君の夢を叶える指だろう。無理して腱鞘炎になったら、演奏できなくなるだろ」
母はあまり丈夫な人ではなかったようだ。
心労が重なり、私が16歳の時に亡くなった。
ヴァイオリンは父が、私が3歳の時に習わせてくれた。
両親が離婚した時、ヴァイオリンをやめさせられなかったのは、ヴァイオリン教室の先生のお蔭だ。
「君の事情が大変だったのは少し理解した。だけど、それが無茶な練習をする理由だとは思えない」
「先生に……」
「君はダフィット教授のロボットではない」
宗月は意外に頑固だった。
「選曲リストを返して。別の伴奏者を探すわ」
宗月は私が観念して言うと、キッパリ言った。
「イヤだ」
差し出した私の手を取った。
「やっぱりだ。爪も割れて絆創膏だらけ。関節も熱を持って腫れているじゃないか」
「貴方には関係ない」
「君のこの指は教授のためだけに演奏する指ではない。君の夢を叶える指だろう。無理して腱鞘炎になったら、演奏できなくなるだろ」



