「庭の千草」狂詩曲

家族らしい会話に心が和む。

詩月は皿を片づけ終えて、ユリウスのランチ用にツナマヨおにぎりと、キュウリとナスの浅漬けを作った。

「ユリウス。ランチに置いておくよ」

ラップを掛けて机上に置く。

「あっさりしたランチもいいな」

「ツナが入っているから、ブルームに気をつけて」

ユリウスは姿の見えないブルームを警戒し、ダイニングを見回した。

詩月は出掛けに、ユリウスに「行ってくるよ」と声をかけた。

「何かあれば、連絡しろよ」

「わかった」

詩月が出かける時に交わされる、いつもの会話だ。

いつも通りに過ごすことで、忘れていたいことを考えない。

詩月が最初のヴァイオリンの師匠「リリィ」に学んだことだ。

詩月は楽器店でヴァイオリンの弦を張り替え、ピアノ修理店で調律を教わり、昼過ぎにスーパーマーケットに行った。

マルグリットから手渡された餌袋と同じ餌が棚になかった。