「庭の千草」狂詩曲

マルグリットとユリウスは詩月が淡々と話すのを聞き逃すまいと、身を乗り出していた。

「自分が周桜宗月とは血縁関係がないことは、知らなかった。日本に帰国したのは、諸々の手続きや、調べものもあった」

詩月は一気に話した。

「ペースメーカーの詳しい点検や調整、身体の検査も必要だったから。こちらでいつも通院している病院の診察や検査は大雑把(おおざっぱ)で不安だったし。実際、点検と調整だけでなくて設定し直しだった」

マルグリットは額に手をあて、フウ~と大きく息を吐いた。

「あなたが、そんなに自分の意見を言うのを初めて聞いたわ。質問攻めにして丸裸にするつもりだったけれどーーいいわ。思いついたら聞くことにするわ。ゆっくり食べなさい」

マルグリットはスッと席を立った。

「今日はもう、休ませてもらうわ。ユリウス、あとはお願い」

「ああ、お休み」

マルグリットがダイニングを出た後。

「嵐みたいだ」

詩月はポツリと呟いた。

ユリウスは「たしかにな」と言いながら、笑いをこらえた。