「庭の千草」狂詩曲

「マルグリット、今日は遅い。明日にでもゆっくり聞いてはどうだ? 詩月もいきなりではまとまらないだろう」

「聞けば隠さず、ちゃんと話すの?」

「答えられること……話す必要があると思うことは」

「わたしたちは、ただの知り合いではないし、ただの同居人ではない。ただ師匠夫婦でも……2年半以上も一緒に暮らして、息子同然に思っているの。あなたのことを1ヶ月半余りずっと心配しながら待っていたのよ。戻ってくるのを待っていたの」

「ただの知り合いだとか。ただの同居人だとか、ただの師匠夫婦だとか、僕はそんな風には思っていない。全部、洗いざらい話すことで必要以上に心配させたり、気遣いしたり、されたりするのが良いとは思えない。できないことやダメなことは、僕自身が用心していれば済むことだ。どうしてもの時は、ちゃんと話しているつもりだった。それに、知らない方がいいことは、知らないままでいいと思っていた」