「庭の千草」狂詩曲

「……彩月さんから聞いたこと、黙っていてゴメン。気づいていないなら、話す必要はないと思っていた」

「ユリウス、詩月に話したの?」

「わだかまりがあるなら解いておくべきだから」

「マルグリット、左足は特に不自由を感じるほどではなかったから。立ち上がる時、少し手を添える程度で軸足にしなければ問題はなかったし、ピアノ演奏も特に支障はなかった。だからわざわざ話すことで気を遣わせる必要はないと思った」

「それで? 彩月は入院で詩月の足の筋肉が落ちていると言っていたわ」

「向こうでリハビリをしていた。今は未だ少し不便。理仁さんから通院の手続きをとってもらって、治療する準備はできている」

「他には? この際、話していないことは全部話してもらうわ」

「えっと……聞きたいことは?」

詩月がマルグリットの険しい表情を見つめて、フッと微笑んだ。