「庭の千草」狂詩曲

「……マルグリット」

「詩月と宗月が実の息子ではないことも知らなかった。詩月の体のことも全部は聞いていないし、左足のことも……他にも知らないことが幾つもあるかもしれない。クレアも宗月の様子を話さないし、詩月の話を全くしないし」

「マルグリット、落ち着いて」

「わたしたちは詩月にとって何? 父親の知り合い? ただの師匠夫婦? 同居人?」

「マルグリット」

「詩月が帰国して1ヶ月半余り、あんな事実を知らされて落ち込んでいないか、傷ついていないか不安と心配でたまらなかった。いつ帰ってくるのか、どんな様子で戻ってくるのか……気になっていたのに」

「俺も心配だったよ、ずっと」

「待っていたのよ、戻ってくるのを。戻ってきてくれるのを」

マルグリットはユリウスが幾ら宥めても落ち着く様子がなかった。

詩月への不満と疑念を思うまま、口にした。