「庭の千草」狂詩曲

保安審査はペースメーカー手帳を提示し、金属探知機は通らず、ボディチェックを受けた。

XCEON のメンバーにはメールで、渡航日時だけ伝えた。

理久と出国審査場の手前まで移動し、10分ほど話して搭乗アナウンス前に、搭乗口に向かった。

理久は詩月の姿が見えなくなるまで見守っていた。

詩月は乗客の列に並び、乗客の流れに合わせ移動する間中、自分のペースで歩けないことが不安だった。

細心の注意と用心しながら、進んだ。

チケットを予約する時、プレミアムエコノミークラス(エコノミーとビジネスクラスの中間)の通路側の席をとった。

座席に着くと直ぐに、酸素吸入器の設定をし、起動させた。

「失礼」

詩月は隣の席の乗客に、ひと声かけて操作をしたが、乗客はひどく驚いていた。

「あの、何か気をつけることはありますか」

おずおずと訊ねられた。