「庭の千草」狂詩曲

「舞園さん!!」

理久が声を荒らげた。

「わかったわ」

舞園が答えたのとほぼ同時に、部屋の外が騒がしくなった。

トントンとドアを叩く音の後、2年半前と面影のある顔が2つ、遥の後ろから現れた。

「かけなさい」

XCEON の3人は舞園の声で、静かに座った。

「詩月さん。バルコニーのヴァイオリン演奏も惚れ惚れしたけど、紙飛行機の手紙もしびれたよ」

「動画が何度も流されたみたいだから、未だに視線を感じるよ」

「冷却シートをたくさん貼りつけて演奏した、あれ冗談やろ?」

「いや、熱中症対策に冷却シートを10枚くらい貼りつけていた」

「はあ? 詩月、初耳だぜ」

理久が目を丸くして言った。

その向かい側で、空と昴が笑いをこらえていた。

「マネジャーは?」

「広告代理店の人と話していたよ」

「そうーー。彼らも2年半前とは比べものにならないほど出番が増えたわ」