「庭の千草」狂詩曲

「桃香さん!」

エレベーターで迎えにきたのは、XCEON の元マネジャー舞園桃香だった。

「2年半ぶりね、詩月。変わらないわね」

「あの……」

「わたしが出迎えたのが不思議? 今、マネジメント本部長をしているのよ。XCEON はレッスン中よ。もうすぐ終わるわ」

詩月と理久は舞園桃香に先導され、応接室に案内された。

「お父さまは大変だったわね」

「リハビリしだい、復帰には暫くかかるようです」

「そう。あなた、体調はどうなの? 検査入院していたそうね」

「相変わらずです。常に用心はしています」

舞園は隣に座った理久をチラと観た。

「どこまで本当なのかしら。相変わらず読み取れないけれど」

「退院して間もないので、俺はボディーガードです」

理久が真面目顔で言って「だよな」と詩月の顔を見た。

「彼も彼の家族も医者で心配性なんです」