「庭の千草」狂詩曲

「安定するまではと」

「そう。君の心臓は君自身が思っている以上に脆弱だ。それは頭に入れておくべきだよ」

詩月は必要なことだとは思う、理仁の言っている意味はじゅうぶん解る。

でも、理仁はいつも考えたくないこと思い出したくないことを顔色1つ変えずに言う。

詩月は実は理仁が苦手だ。

理仁は詩月に「主治医と患者なのだ」という現実を突きつける。

詩月は何も言えない。

「時任くんには厳しく伝えておいた」

「彼はーー」

時任は悪くないと言おうとした。

「そう、彼はよくやってくれている。けれど、それでも君の体調を察知できなくて、昨日だ」

「それは僕自身が」

「結果だ、倒れたという結果。俺たちはチームで君の体調管理をしているんだ」

詩月は時任に申し訳ないと思った。