「庭の千草」狂詩曲

パジャマのボタンを緩め、下着のボタンも緩めた。

時任は詩月を背負った。

中庭に面した1枚張りの窓から院内に入ると、詩月をソファーに座らせた。

院内スマートフォンでナースステーションと連絡を取った。

患者たちが数人が詩月と時任の様子を気にし、後に着いてきた。

彼らは自販機で買ったばかりのペットボトルのお茶を時任に手渡した。

時任はペットボトルを受け取ると、詩月の両脇に挟み、両足の付け根と首筋に押し当てた。

時任は理仁から詩月の性分を詳しく聞いたはずだった。

具合が悪くても我慢してギリギリまで言わないとは聞いていた。

まさか倒れる寸前までと言わないとは思ってもみなかった。

長年、病弱な体と付き合っているのに、自分の限界を知らないのかと苛立ちすら覚えた。

祈るような気持ちで処置を手伝った。

時任は詩月の処置が終わり、症状が落ち着くまで、気が気ではなかった。