「庭の千草」狂詩曲

時任が声を荒らげた。

掴みかかられるか、と思うほどの勢いだった。

「…… 僕もかなり因果関係は調べた。万が一など余程のことがない限り起きない」

「起きてからでは取り返しがつかないんだぞ」

「ーーわかったから……」

時任は詩月が胸に手を当て、肩で息つく様子を見て、詩月の側に駆け寄った。

「ゴメン、つい声を張り上げて」

「……気を乱すこともあるんだな……いつも淡々としているのに……」

詩月の背中に伸ばした時任の手が、詩月の背中に触れて止まった。

タイミング良く、首から下げた院内スマートフォンの1台がバイブした。

「……スマホが鳴ってる。大丈夫だから。早く行かないと暴れる人だろ」

時任はバイブしているスマホの病室番号を確かめ、息を飲んだ。

詩月は詩月の顔を見て、「ゴメン」と言い病室を出る時任に「大丈夫だから」と頷いた。