「庭の千草」狂詩曲

「あっ、はい」

「理仁先生から、ゆっくり休ませるようにと」

時任は女性看護師に睨まれ、仏頂面で酸素バルブを開いた。

「詩月くん、大丈夫?」

女性看護師は詩月の体支えてベッドに座らせた。

「大丈夫、少し疲れただけなので」

「何かあったらナースコールするのよ」

「はい」

詩月がベッドに横たわると、時任が酸素吸入器の管に繋がれたカニューレを手渡した。

女性看護師が車椅子をベッド脇に着け、詩月に見えるように手を振り病室を出た。

「看護師、いつもあんな調子なのか?」

「まあね。だから、理仁さんが気をきかせて男性の看護師にしてくれたんだと思う」

「まあ、ナースステーションの浮かれようを観たら解らなくはないよ。申し送りのたび、いつも看護師たちがギラギラしている感じ」

「少しベッドの角度、起こしてもらえる?」

時任はベッドの先端のハンドルを数回回した。