「庭の千草」狂詩曲

ペースメーカー技術者(臨床工学技士)は、午後から専用検査室にやってきた。

詩月は問診表を記入した後、幾つかの質問に答えた。

臨床工学技士がプログラマーを詩月の肌の上から翳し、詩月が提出したペースメーカー手帳と数値を確認する。

技士は手帳の数値とプログラマーの数値を見比べ、首を捻った。

「この手帳の数値、合ってますか?」

「ええ、その数値は私も一緒に居て設定しましたので確かですよ」

技士はフ~と息をついた。

「では、ズレているのはペースメーカーの方ということですよね。信じられないな」

「実は前以ておこなった昨日の検査では、ペースメーカーを設定した2年半前より、現在の心臓の機能は数値が下がっていました。こちらです」

「ーーーん……新型ウィルスに感染しましたか?」

理仁の手渡した検査表を確認し、技士の声と表情は険しくなった。

「いいえ、感染はしていません」