「庭の千草」狂詩曲

20年間を頭の中に思い描く。

ーー生まれてきた詩月を親父が手術した。爺ちゃんが詩月の主治医で親父が詩月の執刀医。2人で連携しながら、詩月を診てきた

兄の理仁が祖父から詩月の主治医を受け継いだ時、詩月は16歳だった。

ーー俺たちはずっと家族で詩月を診てきたんだ。これからも

「婆ちゃん。ちょっと詩月の様子、見に行ってくる」

「今日は幾つか検査をして疲れているはずだから、長居しないのよ」

「わかった」

理久は先ず理仁を尋ね、詩月と話していいかを訊いた。

「かまわないよ。体調も昨日よりはずっといいようだしな。向こうで余程、気が張っていたんだな。週1回、通院していたらしいが適当なケアだったのかね、ったく」

「珍しいな、兄貴がそこまでご立腹」

「当たり前だ。下手すりゃ命に関わるからな。戻る時、厳重注意の手紙を持たせる」

理久は理仁は本当にやりかねないと思った。