「庭の千草」狂詩曲

翌日。

詩月が検査から戻ると、病室の前に詩子と彩月とが立っていた。

「理仁から数値が良くないと聞いていたけれど、元気そうで安心したわ」

「あの……」

「急にごめんなさいね」

「中にどうぞ」

詩月は2人を病室に招き入れる。

時任が車椅子をベッド脇につけ、詩月に横になれと無言で合図した。

壁に設置された酸素吸入器のバルブを捻り、詩月にサッとカニューレを手渡した。

時任は詩月の手首や胸にベッドサイドの心臓モニターの電極などを取りつけた。

「数種類検査をして疲れていますから、お話は手短に」

仏頂面で抑揚なく言って、病室を出た。

彩月が病室の外を確認し扉を閉め、内から鍵を閉めた。

病室の隅からパイプ椅子を持ってきて、腰かけた。

詩月は改まって何を話すのかと思うと、不安でドキドキした。

「詩月、理久から聞いたわ」

彩月は、そう切り出した。