「庭の千草」狂詩曲

理久は事の次第を詩月に伝えるのは、自分ではないと思った。

又聞きで語るべきではないと思った。

「おふくろ、今の話は俺から詩月に話すべきではないよな。詩月は直接、クレアや宗月さんに聞くべきだよな」

「そうね~。だけど、クレアも宗月も正直に話すかしら。上手く伝えられるかしら。クレアは詩月が体調を崩すたび、自分を責めてきたわ。今も、痛み止めの薬を飲んでいたことを悔やんでいる」

「実際のところ、薬の影響はどうなんだよ」

「あると言えばあるし、ないと言えばない。因果関係は定かではないのよ。クレアは宗月の子を妊娠したけれど、流産を繰り返して検査もしたし治療もしたのよ。でもダメだったの」

「わざと作らなかったわけではないんだな」

「でもね、私はそれでよかったと思うの。詩月にかかりっきりだと寂しい思いをさせたでしょうから。詩月は今よりずっと弱かったから」