「庭の千草」狂詩曲

「詩月、誰も居ない家は不便だし何かあった時に対処が遅くなる。必要な物は明日にでも取ってこい」

理久は1人にしておけないと思った。

「俺の隣の部屋、使えるようにするから今日は俺の部屋で我慢しろ」

「うん。でも……」

「俺はソファーに寝るし」

「理久。理久にも皆にも気を遣わせているよね、色々」

「あ……と。やっぱ、そう思うよな。おふくろさんも留守だし慎重になっているんだ」

「体調管理はできるから気遣いはいらない」

「気遣いはいらない、ったく。目一杯、傷ついてるくせに強がってんじゃねえよ」

「理久?」

「貢から聞いたぜ。貢を口止めしたんだってな」

「もう聞いているのか……詳しい事実も知らずに、最悪な気分で知り合いに会いたくはないからね。それに餌にされたくはないから」

「確かに、漏れたらスゲー騒ぎになるな」