「庭の千草」狂詩曲

詩月は目をそらし、ため息をついた。

「安坂さん、今は話したくないことなので」

詩月は電光掲示板を見て、スクッと立ち上がった。

「そろそろ搭乗しましょうか」

「ああ」

安坂は詩月が何か抱えているなと思った。

安坂の知っている詩月は普段あまり表情を(あらわ)にしない。

なのに、妙に影があると感じていた。