「庭の千草」狂詩曲(ラプソディー)

ウィーンに来る時にもポータブル医療酸素濃縮器と予備の充電器を持って搭乗したことを思い出した。

2年以上経ったことが信じられなかった。

この2年、ヴァイオリンコンクールの準備と対策に楽団との演奏、大学の講義と実技、街頭演奏。

マルグリットのサロンで演奏のバイト、BALでの演奏、ビアンカとの動画配信。

ヴァイオリンコンクール後は、入賞の見返りにコンクール主催との1年間の演奏契約。

なのに何故、こうも気落ちしているのか。

たかが、周桜宗月が父親ではないと知ったくらいで。

7月第1周、週末。

安坂の希望通りの日程で、日本に帰る。

安坂とは空港チェックインカウンター前で待ち合わせた。

チケットを手渡し、チケット代を受け取り、チェックインカウンターで、搭乗手続きを行う。

詩月は医療診断書(MEDIF)、処方箋のコピー、心電図のコピー、心臓ペースメーカー等の説明カードなどを提示した。