「庭の千草」狂詩曲

胎児の大きさは全長が約5~9cm、体重は約10~25g程度。

手足の指が完成し、爪や髪の毛が生え始め、外性器も発達し、性別が判別できるようになる。

機能は脳の左右の境目が見え、心臓の4つの部屋も確認できる。

自発運動が活発になり、超音波で動きを確認できる。

医師は淡々と話した。

「通常は。ですが、お腹のお子さんは心臓の部屋に問題があるように思います。障害を持って生まれる可能性が」

言葉がなかった。

「中絶を希望されるなら、なるべく早いほうがいい」

医師は表情を変えずに告げた。

「中絶なんてイヤ。わたしにはこの子しかいないの」

泣きわめくクレアを宥めて、ひとまず連れ帰った。

俺は3晩考えあぐねて、BALのマスターに相談した。

クレアがダフィット教授の子を妊娠していること、クレアに身寄りがないこと、妊娠した子にどうやら心臓疾患があるらしいこと。