「庭の千草」狂詩曲

わたしはまな板の鯉状態だ。

癪に触る。

ーー吟味できるなら、吟味してみなさい。「夏の名残りの薔薇」を調理しているのは、わたし。先生が観ている。先生がわたしの演奏を「夏の名残りの薔薇」を聴いている

ガムシャラに、ひたすら弾いた。

「音楽は心だ。1番聴いてほしい人に、自分史上最高の演奏を届けるんだ」

先生から何度も教わった言葉が、宗月の言葉と重なった。

目頭が熱いと感じた刹那、涙が溢れ頬を伝った。

観客席が涙で滲んだ。