あなたをあいしたひとたちは つぎつぎと去ってゆく


ひとひら残った花弁が 風に吹かれて 空へ舞いあがってゆくように


でも 恐れることはない


なつかしいひとたちとと 再会する術は あなたの中に


そのひとと共に行った場所を ふたたび訪れたときや


日々を過ごし ふいに思い出される記憶の中に


だから 自分のからだごと抱きしめて


あなたの血の中に そのひとは存在し続けるから


そして そのひとたちから受け取った無償の愛を 次に咲こうとする世代へ


春にさわやかな小雨を降らせるように 今度はあなたが あなたが


花はそうやって 移り変わり時代を生きてゆく


永く 永く