「それで、活動内容って、どんなことをするの?」
顕仁さんが机の上の書類を眺めながら尋ねた。
「うーん……“悩みを解決する”っていうか……。まだちゃんと決まってなくて……」
申し訳なくなって、気まずそうに笑う。
すると顕仁さんは小さく「なるほど」と呟き、窓の外に目を向けた。
「朝廷の陰陽寮みたいな感じかな?」
「朝廷?」
すると、顕仁さんは口に手を当ててハッとする。
「なんでもないよ」
そう言って、誤魔化すように微笑んだ。
でも、その笑みの奥に――どこか、懐かしさと痛みのようなものが滲んでいた。
(それにしても、朝廷って何だろう?)
スマホで調べて見ると、『帝を中心にする政治が行われる場所』なんだって。
もしかしたら、顕仁さんはその朝廷と縁があるのかもしれない。例えば、そこに仕えていた人とか?
「顕仁さんは、自分が亡くなった時のことは覚えてる?」
失礼を承知して尋ねてみるが、ハッとして自分の発言を訂正する。
「あ、いや、言いたくないなら無理に聞かないから……」
言いたくない過去を持って、無念のなか幽霊になる人は多い。無理に聞き出せば、却って傷つけてしまうだけだ。
「覚えてるよ」
混乱する私を見て、くすりと笑った。
何も書かれていない白紙のノートを取り出して、机に置くと、興味深そうに覗き込んできた。
「白紙だね」
「う……」
本当は、その日の部活内容を記録する為のノートなんだけど、見事に真っ白。
はい、何も書いてません。
だって、ただ放課後にスマホいじってゲームしてるだけだもん……!
本当は何かを書きたかったのに、書けることは何もない。
ゲームのハイスコアや今日見たアニメの話題も、部活には関係ないし……。
相談してくる生徒はまだいない。
なんなら『平和実行部は、裏で人体実験をしている』という根も葉もない噂まで広がってる始末。
お陰でクラスメイト達から遠巻きされるわ、消しゴムを拾っただけで謝られる。
まぁ、分かりにくい部活名とポスター考えた私のせいなんだけど……。
(種すらないよ!!)
私は心の中で叫びながら、白紙のノートをぼんやり眺めた。
でも、目の前に座っている顕仁さんは、何かを期待するようにニコニコしている。
そんな期待するような眼差しで見ないでほしい……。
顕仁さんが机の上の書類を眺めながら尋ねた。
「うーん……“悩みを解決する”っていうか……。まだちゃんと決まってなくて……」
申し訳なくなって、気まずそうに笑う。
すると顕仁さんは小さく「なるほど」と呟き、窓の外に目を向けた。
「朝廷の陰陽寮みたいな感じかな?」
「朝廷?」
すると、顕仁さんは口に手を当ててハッとする。
「なんでもないよ」
そう言って、誤魔化すように微笑んだ。
でも、その笑みの奥に――どこか、懐かしさと痛みのようなものが滲んでいた。
(それにしても、朝廷って何だろう?)
スマホで調べて見ると、『帝を中心にする政治が行われる場所』なんだって。
もしかしたら、顕仁さんはその朝廷と縁があるのかもしれない。例えば、そこに仕えていた人とか?
「顕仁さんは、自分が亡くなった時のことは覚えてる?」
失礼を承知して尋ねてみるが、ハッとして自分の発言を訂正する。
「あ、いや、言いたくないなら無理に聞かないから……」
言いたくない過去を持って、無念のなか幽霊になる人は多い。無理に聞き出せば、却って傷つけてしまうだけだ。
「覚えてるよ」
混乱する私を見て、くすりと笑った。
何も書かれていない白紙のノートを取り出して、机に置くと、興味深そうに覗き込んできた。
「白紙だね」
「う……」
本当は、その日の部活内容を記録する為のノートなんだけど、見事に真っ白。
はい、何も書いてません。
だって、ただ放課後にスマホいじってゲームしてるだけだもん……!
本当は何かを書きたかったのに、書けることは何もない。
ゲームのハイスコアや今日見たアニメの話題も、部活には関係ないし……。
相談してくる生徒はまだいない。
なんなら『平和実行部は、裏で人体実験をしている』という根も葉もない噂まで広がってる始末。
お陰でクラスメイト達から遠巻きされるわ、消しゴムを拾っただけで謝られる。
まぁ、分かりにくい部活名とポスター考えた私のせいなんだけど……。
(種すらないよ!!)
私は心の中で叫びながら、白紙のノートをぼんやり眺めた。
でも、目の前に座っている顕仁さんは、何かを期待するようにニコニコしている。
そんな期待するような眼差しで見ないでほしい……。



