「これ……ヒビ?」
ペンダントには、蜘蛛の巣状の模様が刻まれていた。
まるで、あのスマホのヒビのように。
「そう。あのヒビを、モチーフにしたペンダント。職人さんに、特別に作ってもらったんだ」
涙が、溢れてきた。
「悠大さん……」
「希が、あのヒビを大切にしているから。僕も、あのヒビに感謝してる。だから、身につけていてほしくて」
悠大さんが立ち上がって、私の後ろに回る。
そして、ペンダントを首にかけてくれた。
「似合ってるよ」
悠大さんが、私の肩に手を置く。
「ありがとう……」
振り返って、私は悠大さんを抱きしめた。
「大切にするね」
「ああ。これからも、ずっと一緒にいよう」
「はい」
私たちは、しばらく抱き合っていた。
カフェの温かい空間で、二人だけの時間。
「そういえば、祖父ちゃんが希に会いたがってるよ」
「え、本当?」
「最近ね、希のこと『うちの孫の彼女』って、常連さんに自慢してるんだ」
「そうなの?」
恥ずかしいけれど、嬉しい。
「『あの子は、本当にいい子だ』って。希が来ると、すごく嬉しそうなんだ」
「武男さん……」
目頭が熱くなる。
「それで、新しいプロジェクトの話があるんだ」
「新しいプロジェクト?」
「祖父ちゃん、季節ごとの限定商品をオンラインで展開したいらしい。そのサイトも、希に作ってほしいって」
その言葉に、私の胸が高鳴る。
「もちろん、やるよ!」
「良かった」
悠大さんが、ホッとしたように笑った。
「だけど、今度は条件がある」
「条件?」



