「明後日、最終プレゼンテーションがあります。祖父と、それから店の常連さんたちにも見てもらいたいんです」
「常連さん……ですか?」
「はい。60年間、店を支えてくれた人たち。その人たちにも、このサイトを見てほしいんです」
「わかりました。必ず、成功させましょう」
◇
水曜日の午後。私はプレゼンテーションの準備をしていた。
何度練習しても、うまく話せない。
夜、私は篠塚さんに電話をかけた。
「あの……プレゼンのこと、相談したくて」
「ああ、もしかして緊張していますか?」
「はい……すごく」
篠塚さんが優しく笑った。
「大丈夫ですよ。藤崎さんの想いを、そのまま伝えればいいんです。完璧に話そうとせず、藤崎さんらしく話す方がきっと伝わります」
その言葉に、私ははっとした。
「明日、僕も一緒にいます。だから、安心してください」
「ありがとうございます」
電話を切って、私は深呼吸をした。
完璧に話せなくてもいい。明日は、自分らしく伝えよう。



