トップページが表示される。
武男さんの手が、生地をこねる動画。柔らかい色調。少し不揃いなレイアウト。だけど、それが逆に温もりを生んでいる。
スクロールすると、武男さんとお祖母様の写真。そして、二人の物語。
『60年前、私たちは小さな店を始めました。
何も分からないまま、ただ一つだけ信じていたこと。
「一つ一つ、想いを込めて作れば、必ず誰かに届く」
今も、その気持ちは変わりません。
このサイトを訪れてくださったあなたに、私たちの温もりが届きますように。』
篠塚さんが、じっと画面を見つめている。
次に、商品ページに移動する。
少し歪んだタルトの写真。その横には、武男さんの想いが綴られている。
「これ……」
篠塚さんの声が上ずった。
「すごい……! まさにこれが、僕が求めていたものです。いえ、それ以上のものです」
篠塚さんが顔を上げた。その目には、涙が光っていた。
「祖父の想いが、祖母への愛が、60年の歴史が、このサイトに全て詰まっている」
篠塚さんが私の手を取った。
「藤崎さん……心から、感謝しています」
「私こそ。このプロジェクトで、私は変われました」
「藤崎さん、まだプロジェクトは終わっていません」
「え?」
まだ、終わってない?



