「藤崎さん、今もオフィスですか?」
「はい。あと少しだけ、作業したくて」
「無理しないでくださいね」
篠塚さんの心配そうな声。
「武男さんは、どうですか?」
「だいぶ良くなりました。金曜日には、退院できそうです」
「良かった……」
安堵のため息をつく。
「藤崎さん……今から、そちらに伺ってもいいですか?」
「え?」
「一人で作業するより、二人の方がいいかなと思って」
その言葉に、胸が満たされた。
「はい。待ってます」
◇
30分後。
篠塚さんがオフィスにやってきた。彼はコートを脱いで、私の隣に座る。
「何か、手伝えることはありますか?」
「それでは……このコンテンツの文章を、一緒に見てもらえますか?」
私たちは、並んでパソコンの画面を見つめる。
商品ページの説明文。
「この文章、もう少し武男さんの声が聞こえるようにしたくて」
「なるほど……」
篠塚さんが考え込む。少しして、篠塚さんがキーボードを打ち始めた。



